高卒就職 保護者ガイド 第1回/高卒就職ってどう進むの?保護者が最初に知っておきたい就職活動の流れとスケジュール
「学校に任せておけば大丈夫」だけではない時代になっています
高校生の就職活動は、保護者世代が経験した頃と比べて大きく変化しています。
私は2013年から高校で進路指導に携わり、現在も公立高校で高校生の就職支援を続けています。
毎年、多くの高校生と保護者、学校の先生、そして採用担当者の方々と関わる中で感じるのは、
「高卒就職は情報を知っている人ほど、納得できる会社選びができる」ということです。
学校の先生は、生徒一人ひとりを本当に熱心にサポートされています。
だからこそ、ご家庭でも就職活動の流れを知り、お子さんと一緒に考えることが、高校生の進路選択をより良いものにしてくれます。
今回は、高卒就職がどのような流れで進むのかを分かりやすくご紹介します。
高卒就職は「売り手市場」
「高卒で就職するのは大変そう」
そんなイメージを持つ方も少なくありません。
しかし現在の高卒就職は、企業側の採用意欲が非常に高い状況です。
2025年度の高校生向け求人は約48万件。
一方で就職希望者は約12万人となっており、有効求人倍率は約4倍です。
つまり、高校生1人に対して約4社分の求人がある計算になります。
地域によってはさらに倍率が高く、大阪府や東京都では8~9倍になることもあります。
「就職先がない時代」ではなく、
「たくさんある求人の中から、自分に合う会社を選ぶ時代」
になっています。
高卒就職は4つのステップで進みます
大学生の就職活動とは違い、高校生の就職活動は学校を中心に進められます。
大きく分けると、次の4つのステップです。
STEP1 求人を探す
7月1日に高校生向け求人が全国一斉に公開されます。
学校には毎日たくさんの求人票が届き、生徒は一覧表や求人票を見ながら気になる会社を探していきます。
STEP2 応募前職場見学に参加する
求人票だけでは分からないことも多いため、実際に会社へ見学に行きます。
仕事内容や会社の雰囲気を自分の目で確認する、とても大切な機会です。
STEP3 応募する会社を決める
応募前職場見学を終えたら、応募したい企業を学校へ報告します。
学校内で調整が行われ、受験する企業が決定します。
STEP4 応募書類・採用試験
履歴書を作成し、9月5日に応募書類を発送します。
その後、9月16日以降に採用試験が始まります。
夏休みの約1か月で進路が決まる
高卒就職の特徴は、
スケジュールが非常に短いこと です。
7月に求人票が公開され、
夏休み中に
- 求人票を見る
- 職場見学へ行く
- 応募先を決める
という流れが一気に進みます。
そのため、
「まだ時間がある」
と思っていると、あっという間に応募締切が近づいてしまいます。
保護者もこの流れを知っておくだけで、お子さんへの声掛けやサポートがしやすくなります。
「1人1社制」という高校生特有のルール
高卒就職には、
同じ時期に応募できる会社は1社だけ
という「1人1社制」というルールがあります。
大学生のように何社も同時に受験することはできません。
だからこそ、応募する会社を決める前の
- 求人票を見ること
- 応募前職場見学へ行くこと
がとても重要になります。
学校によっては応募前職場見学も応募することを決定した1社しか行けない場合があります。
その場合は、求人票や会社ホームページをしっかり確認してから見学へ行くことが大切です。
保護者が最初にできること
保護者の役割は、
会社を決めることではありません。
一番大切なのは、
「一緒に情報を整理すること」です。
例えば、
- どんな仕事に興味があるの?
- 通勤時間は大丈夫?
- 会社見学でどんな印象だった?
こんな会話を重ねるだけでも、お子さんは自分の考えを整理しやすくなります。
保護者が就職活動の流れを理解しているだけで、お子さんにとって大きな安心につながります。
まとめ
現在の高卒就職は、多くの求人の中から会社を選べる時代です。
一方で、夏休みという短い期間の中で会社選びを進める必要があり、高校生にとっては人生で初めての大きな進路選択でもあります。
学校の先生は心強い存在ですが、ご家庭でも就職活動の流れを理解し、お子さんと一緒に考えることで、より納得のいく会社選びができるようになります。
私が高校で進路指導をしていると、「お母さんが『ここがいい』と言ったから」という理由で会社を選ぼうとする生徒に出会うことがあります。一方で、就職後に『やっぱり自分で選べばよかった』と話す卒業生もいます。だから私は、保護者には「決める人」ではなく、「一緒に考える人」でいてほしいと思っています。
次回予告
高卒就職 保護者ガイド 第2回
求人票はどこを見る?
保護者が確認しておきたい「5つのチェックポイント」を、高校現場で進路指導を行う立場から詳しく解説します。
アッテミーでは、高校での進路指導や企業との連携を通じて学んだことを、保護者の皆さまにも分かりやすくお届けしています。このシリーズが、お子さんと一緒に進路を考えるきっかけになれば嬉しいです。

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