高卒就職 保護者ガイド 第2回/求人票はどこを見る?保護者が確認したい5つのポイント
高卒就職では、7月1日に高校へ求人票が公開されます。
前回の記事では、高卒就職全体の流れをご紹介しました。
今回は、そのスタートとなる「求人票」の見方についてお伝えします。
求人票は、会社選びのための大切な資料です。
しかし、「給料だけ」を見て会社を選んでしまうと、入社後に「思っていた会社と違った」と感じる原因にもなります。
高校で進路指導をしている中で、保護者の皆さんにもぜひ知っていただきたいポイントをご紹介します。
求人票はどこで見ることができる?
「求人票って学校でしか見られないんですよね?」
保護者の方から、このような質問をいただくことがあります。
実は現在、高校生が求人票を見る方法は、大きく3つあります。
① 学校に届いた紙の求人票を見る
学校には企業から届いた求人票がファイルにまとめられており、生徒はまず「求人票一覧」を見て、興味のある会社があれば、その会社の求人票を進路指導室などで直接確認します。
現在もこの方法を取り入れている学校は多くあります。
② 「高卒就職情報WEB提供サービス」を利用する
厚生労働省(ハローワーク)が運営する、高校生向け求人情報サイトです。

高卒就職情報WEB提供サービス
全国の公開求人を検索することができ、国が運営しているため、安心して利用できます。
利用には学校ごとに発行されるID・パスワードが必要ですが、2026年度からは保護者もお子さんと一緒であれば利用できるようになりました。
学校からID・パスワードを教えてもらえば、自宅のパソコンやスマートフォンから求人情報を確認することができます。
③ Handyなど学校専用の求人閲覧システムを利用する
最近増えているのが、学校が契約している求人閲覧システムです。
代表的なものに「Handy」などがあります。
これは、お子さんの学校に届いた求人(指定校求人)を、学校の先生がシステムへ登録し、生徒が自宅からでも閲覧できる仕組みです。
学校によって導入しているシステムは異なりますが、利用している場合は、自宅でも求人票を確認できるため、親子で会社選びについて話し合いやすくなっています。
まずは学校専用サイト、その次にハローワーク
学校にしか届いていない求人は数多くあります。
そのため、
- まずは学校で配布された求人票や学校専用の求人閲覧サイトを見る
- さらに幅広く調べたい場合は「高卒就職情報WEB提供サービス」を活用する
という流れがおすすめです。
保護者が求人票で確認したい5つのポイント
求人票を見るときは、給与だけでなく「教育制度」まで含めて確認することが大切です。
① 初任給(基本給)
保護者が最も気になるのが給与ではないでしょうか。
現在、高卒の初任給は全国平均で約20万円となっています。
目安としては、
- 18万円未満:やや低め
- 18〜21万円:一般的
- 22万円以上:高め
と考えてよいでしょう。(2026年時点)
ただし、金額だけで判断するのは危険です。
求人票に書かれている「初任給(月額給与)」には、
- 固定残業代
- 手当(定額的にもらえる手当)
が含まれている場合があります。
また、実際に口座に振り込まれる手取り額は、初任給の月額給与額×0.8した金額になるとイメージしてもらうとよいです。
② 年間休日数
近年は年間休日110日前後の会社が多くなっています。
目安としては、
- 95日以下:少ない
- 105日前後:一般的
- 110日以上:多め
- 120日以上:かなり多い
です。
休日数だけではなく、1日あたりの勤務時間や休日の取り方も合わせて確認しましょう。
③ 残業時間
求人票には月平均の残業時間も記載されています。
例えば、月20時間の残業は、1日あたり約1時間程度です。
目安としては、
- 10時間未満:かなり少ない
- 20時間前後:一般的
- 30時間以上:やや多い
と言えます。
高校生にとっては、お給料よりも
「毎日何時頃帰れるのか」
という生活イメージの方が分かりやすいこともあります。
④ 昇給・賞与
初任給だけで会社を比較するのはおすすめできません。
例えば、初任給19万円でも、賞与が年間5か月分支給される会社であれば、
19万円×17か月分=323万円 と
年収は高くなることがあります。
逆に、初任給23万円でも、賞与がない会社であれば、
23万円×12か月分=276万円 と
年収はそれほど高くならないケースもあります。
高卒求人票は、入社した最初の月額給与がわかりやすく書いてありますが、その時期は研修期間です。
実際に職場に出ると、各種手当がついたり、勤務時間に応じた割増賃金も支払われたりします。
そのため、高卒求人票では低く見える給与の会社が、
入社半年後に実際に毎月もらえる給与は25万円を超えている・・といったケースもあります。
賞与の支給実績や昇給制度も含めて、入社後の給与を長期的に確認することが大切です。
⑤ 教育制度・フォロー体制
私が最も保護者に見ていただきたいポイントです。
高卒新卒の早期離職理由として多いのは、
「給料」ではありません。
実際には、
- 人間関係
- 教え方が合わない
- 放置される
- 仕事とのミスマッチ
などが大きな理由になっています。
求人票では、
- 新入社員研修
- 資格取得支援
- メンター制度
- ブラザー・シスター制度
などがあるか確認してみてください。
安心して相談できる環境がある会社は、入社後の定着にもつながります。
私が高校で進路指導をしていて感じること
保護者の方は、どうしても給与と会社の知名度に目が向きやすい傾向があります。
もちろん生活を考えれば、とても大切なことです。
一方で、卒業生の様子を見ていると、
長く働き続けている会社には共通点があります。
それは、「新人を育てよう」という文化がある会社です。
18歳は、まだ社会人1年生。
最初から完璧にできる人はいません。
だからこそ、「安心して成長できる環境」があるかどうかを、保護者の皆さんにも一緒に見ていただきたいと思っています。
まとめ
求人票を見るときは、
知名度や家からの近さだけで会社を選ぶのではなく、
- 初任給
- 年間休日
- 残業時間
- 昇給・賞与
- 教育制度
まで含めて比較することが大切です。
保護者は会社を決める人ではありません。
お子さんが納得して会社を選べるよう、一緒に情報を整理するパートナーでいていただければと思います。
次回予告
求人票には、初任給や年間休日以外にも、会社選びのヒントがたくさん隠れています。
例えば、
- 転勤はある?
- 配属先はどう決まる?
- 通勤時間は現実的?
- 資格取得の支援はある?
- 家賃補助や寮はある?
- 卒業生は長く働いている?
こうした情報まで確認することで、「自分に合った会社」を見つけやすくなります。
第3回は、求人票の「プラスアルファの見方」をご紹介します。
アッテミーでは、高校での進路指導や企業との連携を通じて学んだことを、保護者の皆さまにも分かりやすくお届けしています。このシリーズが、お子さんと一緒に進路を考えるきっかけになれば嬉しいです。


