高卒就職 保護者ガイド 第5回/高卒採用の面接で企業は何を見ている?高校生が知っておきたい4つのポイント

高卒採用の面接で企業は何を見ている?高校生が知っておきたい4つのポイント

高校卒業後に就職を予定しているお子さんを持つ保護者の方から、

「高校生の採用面接では、企業はどこを見ているのでしょうか?」

「敬語を間違えたら不採用になりますか?」

「質問にうまく答えられなかったらどうすればいいですか?」

といったご質問をよくいただきます。

高校生にとって、就職活動の面接は初めて経験する「採用面接」であることがほとんどです。

そのため、「きちんと答えなければ」「敬語を間違えてはいけない」「覚えた内容を全部言わなければ」と考え、必要以上に緊張してしまう高校生も少なくありません。

しかし、高卒採用の面接で企業が見ているのは、完璧な受け答えができるかどうかだけではありません。

企業が知りたいことをシンプルに表すと、

「半年後、この高校生と一緒に働く姿をイメージできるか」

ということです。

今回は、実際に高校現場で高校生の面接指導を行い、企業の高卒採用支援にも携わってきたアッテミーの経験から、高卒採用の面接で企業が見ているポイントを解説します。


高卒採用の面接は「一度きり」が多い

大学生や中途採用では、

一次面接

二次面接

最終面接

というように、何度か面接を行う企業も珍しくありません。

一方、高卒採用では、採用試験は原則として1日で実施するよう学校やハローワークから企業へ案内されており、面接も一度だけで終わるケースが大半です。

さらに、高校生の採用面接では、人権への配慮や公平性の観点から、企業が聞いてはいけない質問も定められています。

つまり企業側も、限られた時間・限られた質問の中で、

「この高校生と一緒に働いていけそうか」

を判断しています。

では、具体的に何を見ているのでしょうか。


企業が見ている4つのポイント

① 挨拶・話を聞く姿勢・受け答え

まず見られているのは、特別な能力ではありません。

   挨拶ができるか

   相手の話を聞こうとしているか

   質問に対して受け答えができるか

といった基本的なコミュニケーションです。

企業が採用した高校生は、数か月後には社員の一人として働き始めます。

上司や先輩から仕事を教えてもらったり、同僚と協力したり、お客様と接したりすることもあるでしょう。

だからこそ企業は、面接でのやり取りから、

「周囲の人と関わりながら働いていけそうかな?」

ということを見ています。

面接官に好かれるような特別な振る舞いをする必要はありません。

まずは、挨拶をする、相手の話を聞く、聞かれたことに答える。

その基本的な姿勢が大切です。


② 丸暗記ではなく「自分の言葉」で話せるか

高校の面接練習では、

「志望理由は?」

「自己PRをしてください」

といった質問に対して、まず文章を作り、それを覚えて練習することがあります。

もちろん、事前に自分の考えを整理しておくことは大切です。

ただし、文章を一字一句丸暗記することが面接対策のゴールではありません。

面接官が知りたいのは、上手に暗記できたかどうかではなく、その高校生自身が何を考えているのかです。

学校で練習していなかった質問をされたときにも、

「この質問は何を聞かれているのかな?」

と考え、自分自身の経験や考えを、拙くても自分の言葉で伝えようとする。

その姿勢の方が大切です。

敬語や丁寧語を間違えてしまっても、それだけを過度に心配する必要はありません。

質問の意図を理解して、自分の経験や考えを誠実に伝えようとしているか。

企業はそこを見ています。


③ 答えに詰まったときに、どう対応するか

一生懸命面接練習をしていても、本番で頭が真っ白になることはあります。

実際にアッテミーが高校で面接指導をしていた際にも、準備してきた文章を突然忘れてしまい、黙り込んでしまった高校生がいました。

本人から、

「こういうとき、どうしたらよかったんですか?」

と聞かれました。

答えはシンプルです。

忘れてしまったら、

「すみません、緊張して忘れてしまいました」

と言っても構いません。

質問の意味がよく分からなければ、

「すみません。もう一度質問をおっしゃっていただけますか?」

と聞き直すこともできます。

少し考えたいのであれば、

「少し考える時間をいただいてもよろしいでしょうか」

と伝えても大丈夫です。

大切なのは、「完璧に答えること」ではなく、困ったときにも相手とコミュニケーションを取ろうとすること。

仕事を始めてからも、分からないことや困ることは必ず出てきます。

そのときに、黙り込むのではなく「分かりません」「もう一度教えてください」と言えることも、一緒に働くうえでは大切な力です。


④ 応募する仕事内容を理解しているか

もう一つ、企業が確認したい大切なポイントがあります。

それが、

「自分が応募した仕事を、本当に理解しているか」

です。

例えば企業から、

「高いところで作業することがありますが、大丈夫ですか?」

「重いものを持つ仕事がありますが、理解していますか?」

「暑い場所で作業することもありますが、大丈夫ですか?」

「入社後に運転免許を取得する必要がありますが、取得できますか?」

といった質問をされることがあります。

これは単に「できますか?」「できませんか?」を確認しているだけではありません。

求人票や応募前職場見学などを通して仕事内容を理解し、

「それでもこの仕事をしたいと思って応募しているのか」

を確認するための質問でもあります。

「会社名を知っているから」

「給与や休日がよかったから」

ということだけではなく、

自分が入社後にどんな仕事をするのかまで理解して応募することが重要です。

保護者の方も、応募前に求人票を一緒に確認したり、

「この会社に入ったら、どんな仕事をするの?」

とお子さんに聞いてみたりするとよいでしょう。

 

高卒採用面接の4つのポイント


面接は「上手に答える競技」ではありません

面接というと、

「正しい答えを言わなければ」

「噛んではいけない」

「敬語を間違えてはいけない」

と思ってしまいがちです。

しかし、高卒採用の面接で大切なのは、完璧な面接をすることではありません。

企業が知りたいのは、その高校生自身のことです。

挨拶ができる。
相手の話を聞ける。
自分の考えを自分の言葉で伝えようとする。
分からなければ聞き直せる。
そして、自分が応募した仕事を理解している。

こうしたやり取りを通して、

「4月から、この人と一緒に働けそうだな」

と企業に感じてもらえることが、高卒採用の面接ではとても大切です。

保護者の方も、「もっと上手に答えなさい」と完成度を上げることだけを考えるのではなく、

「この子自身の考えや経験が、相手に伝わっているかな?」

という視点で面接準備を見守っていただければと思います。


次回は「高卒就職の面接でよく聞かれる質問」を解説します

では実際の高卒採用面接では、どんなことを聞かれるのでしょうか。

「なぜこの会社を選んだのですか?」

「高校生活で頑張ったことは?」

「あなたの長所は?」

など、高校生の面接にはよく聞かれる質問があります。

ただし、大切なのは質問と回答を丸暗記することではありません。

「企業はなぜ、その質問をしているのか?」

を理解すると、面接で伝えるべき内容が見えてきます。

次回は、高卒就職の面接でよく聞かれる質問と、企業がその質問をする理由について、具体例を交えながら解説します。