高卒就職 保護者ガイド 第6回/高卒採用の面接でよく聞かれる質問と、企業が知りたいこと
面接でよく聞かれる質問と、企業が知りたいこと
高卒就職の面接が近づくと、
「どんな質問をされるの?」
「ちゃんと答えられるかな」
「何を練習しておけばいい?」
と不安になる高校生は少なくありません。
保護者の方も、つい
「志望動機はちゃんと言える?」
「自己PR、もう覚えた?」
と確認したくなるかもしれません。
でも、高卒就職の面接で大切なのは、模範解答を丸暗記することではありません。
企業が知りたいのは、その高校生がどんな人なのか。
そして、「この会社で働くことをどのくらい理解して応募しているのか」ということです。
今回は、高卒就職の面接でよく聞かれる質問を例に、企業がその質問から何を知ろうとしているのかを解説します。
高卒就職の面接では、履歴書をもとに質問されることが多い
高校生の就職活動では、応募書類として「全国高等学校統一用紙」が使われます。アッテミーの高卒就職メソッドでも、企業独自の応募書類ではなく、統一された応募書類を使用する仕組みを紹介しています。 (ATTEME – 株式会社アッテミー | 高校生のキャリアを創る)
そして面接では、履歴書に書かれた
志望動機
校内外での活動
資格
などから質問が広がっていくことがあります。
例えば、部活動について書いていれば、
「部活動で大変だったことはありますか?」
といった具合です。
つまり、履歴書に書いた内容は、面接で詳しく聞かれる可能性があると思って準備しておくとよいでしょう。 (ATTEME – 株式会社アッテミー | 高校生のキャリアを創る)
高卒就職の面接でよく聞かれる質問
①「なぜこの会社を志望しましたか?」
いわゆる「志望動機」です。
ここで企業が知りたいのは、立派な志望理由というより、
「なぜ、この仕事・この会社を選んだのか」です。
例えば、
「ものづくりに興味があるからです」
だけでは、他の製造業でも当てはまってしまいます。
そこで、
「応募前職場見学で〇〇の作業を見て興味を持った」
「社員の方が〇〇について話してくださったことが印象に残った」
「2年生の時にインターンシップに参加して〇〇の技術力のすごさを感じ、自分もやってみたいと思った」
など、その会社を実際に見たり調べたりした経験とつなげると、その会社を選んだ理由が伝わりやすくなります。
アッテミーでも、志望動機を考える際には、職場見学で感じたことや、会社のパンフレット・ホームページなどで印象に残ったことを盛り込むことを勧めています。 (ATTEME – 株式会社アッテミー | 高校生のキャリアを創る)
②「高校生活で頑張ったことは何ですか?」
ここで高校生が困るのが、
「頑張ったことなんてない」
という問題です。
部活動で全国大会に出た。
生徒会長をした。
資格をたくさん取った。
そんな分かりやすい実績がなくても構いません。
例えば、
「アルバイトを休まず続けた」
「苦手な教科で赤点を取らないよう勉強した」
「文化祭で準備を担当した」
「毎朝遅刻しないよう早起きを続けた」
なども、その高校生を知るための立派なエピソードです。
企業が知りたいのは、出来事の派手さだけではありません。
そのとき本人がどう考え、どう行動したのか。
そこに、その子らしさが表れます。
③「あなたの長所を教えてください」
これも高校生が答えにくい質問の一つです。
そもそも高校生自身が、自分の良いところをまだ十分に言語化できていないことがあります。
「真面目です」
「責任感があります」
「コミュニケーション力があります」
と言うだけではなく、
「アルバイトでは、次の人が困らないように〇〇するようにしています」
など、具体的な行動とセットにすると伝わりやすくなります。
そして、本人が気付いていない長所を見つけるのは、保護者が手伝いやすいところでもあります。
④「苦手なこと・短所はありますか?」
短所を聞かれると、
「悪いことを言ったら落とされるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、大切なのは短所をゼロに見せることではありません。
例えば、
「人前で話すのが苦手です。でも、授業で発表するときは事前に練習するようにしています」
なら、
苦手なことを自分で理解して、どう対処しているか
まで伝えられます。
「短所はありません」と無理に答えるより、自分自身を理解していることの方が伝わります。
⑤「入社したらどんな仕事をしたいですか?」
この質問では、仕事内容をどの程度理解して応募しているかが表れます。
「頑張りたいです」
だけでなく、
「最初は〇〇の仕事を覚えて、将来は△△もできるようになりたい」
などと話せれば、入社後の姿をある程度イメージできていることが伝わります。
ここで役立つのが応募前職場見学です。
応募前職場見学は、そもそも高校生が受験先を決めるために、実際の職場を確認する機会です。 (ATTEME – 株式会社アッテミー | 高校生のキャリアを創る)
見学した仕事内容や社員から聞いた話を、もう一度親子で振り返ってみましょう。
⑥「何か質問はありますか?」
いわゆる「逆質問」です。
無理に難しい質問を考える必要はありません。
求人票や職場見学で分からなかったことがあれば、
「入社までに勉強しておいた方がいいことはありますか?」
「入社後はどのように仕事を教えてもらいますか?」
など、本人が本当に知りたいことを聞くのが一番です。
質問を考えること自体が、その会社で働く姿を考えるきっかけにもなります。
面接は「正解を言う試験」ではありません
ここは保護者の方に、ぜひ知っておいていただきたいところです。
面接練習を繰り返していると、
「正しい答えを言わなければ」
という意識が強くなりすぎる高校生がいます。
すると、先生と一緒に作った志望動機を一字一句覚え、質問された瞬間に暗記した文章を読み上げるような受け答えになってしまうことがあります。
でも企業が知りたいのは、文章を覚える力ではありません。
「この子はどんな子なんだろう」
「どんなことを大切にしているんだろう」
「うちの仕事や会社と合いそうだろうか」
ということです。
多少言葉に詰まっても構いません。
高校生らしい言葉で、自分の経験や考えを伝えられることの方が大切です。
保護者ができる面接練習は「答えを教える」ことではない
では、家庭では何をすればいいのでしょうか。
おすすめしたいのは、面接官役になって厳しく練習することよりも、子どもの話を掘り下げることです。
例えば、
保護者:「高校生活で頑張ったことは?」
子:「アルバイトかな」
で終わらせず、
保護者:
「何が一番大変だった?」
「そのときどうしたの?」
「続けられたのはなんでだと思う?」
と聞いてみる。
すると本人の中にあった経験が、少しずつ言葉になっていきます。
保護者だからこそ、
「そういえば、あのときも最後までやってたよね」
と、本人が忘れている経験を思い出させることもできます。
答えを作ってあげるのではなく、本人の中にある答えを一緒に探す。
それくらいの距離感がおすすめです。
まとめ|面接では「その子自身」が伝わることが大切
高卒就職の面接では、志望動機や高校生活で頑張ったこと、長所・短所、入社後にやりたいことなど、さまざまな質問がされます。
ただし、すべてに完璧な回答を用意する必要はありません。
大切なのは、
自分の経験を振り返ること。
会社や仕事内容を理解すること。
そして、自分の言葉で伝えること。
保護者の役割も、「正しい答え」を教えることではありません。
本人がこれまで経験してきたことや、自分ではまだ気付いていない良さを、一緒に見つけてあげてください。
高校生が少し自信を持って面接に向かえるよう、家庭ではそんなサポートをしていただければと思います。
次回予告
面接でよく聞かれる質問が分かっても、「うちの子、ちゃんと自分のことを話せるかな?」と心配になる保護者の方も多いのではないでしょうか。
次回は、高校生の就職面接に、保護者はどこまで関わればいいのかを取り上げます。
自己PRや長所が思いつかないときの声かけ、本人のエピソードを引き出す方法、親子で面接練習をするときの注意点など、家庭でできる具体的なサポートをご紹介します。
答えを作ってあげるのではなく、本人の中にある言葉を引き出す。
そんな保護者だからこそできる面接サポートについてお伝えします。