高卒就職 保護者ガイド 第9回/応募前職場見学とは?当日の流れと事前準備を解説
応募前職場見学とは?当日の流れと事前準備を解説
高校生の就職活動では、求人票を見て気になる会社を見つけたあと、「応募前職場見学」に参加します。
保護者の方からすると、
「応募前職場見学って、会社説明会とは違うの?」
「見学に行ったら、その会社を受けないといけない?」
「親も一緒に行くの?」
「何を準備して行けばいい?」
など、分からないことも多いのではないでしょうか。
応募前職場見学は、簡単に言うと、
高校3年生が、最終的に応募する会社を決めるために、実際の職場や仕事内容を確認する機会です。
求人票だけでは分からないことを、自分の目で確認できる大切な機会です。
今回は、応募前職場見学の目的や申し込みから当日までの流れ、保護者が一緒に準備しておきたいことについて解説します。
応募前職場見学は「応募する会社を決めるため」の見学
まず知っておいていただきたいのが、応募前職場見学の目的です。
高校3年生は、学校に届いた求人票などを見ながら、応募する企業を検討していきます。
しかし、求人票をいくら読んでも、
「実際にはどんな場所で働くんだろう?」
「どんな人たちが働いているんだろう?」
「仕事内容は自分がイメージしているものと合っているかな?」
というところまでは、なかなか分かりません。
そこで実際に企業へ足を運び、職場や仕事内容を見て、最終的に応募する企業を決めるために行うのが応募前職場見学です。
学校によっては基本的に1社を見学する場合もあれば、A社とB社でどうしても迷っている場合などに、先生へ相談して2社見学できるケースもあります。
「歓迎してくれた=自分に合う会社」とは限らない
ここは、今の高校生の就職活動で特に気をつけてほしいポイントです。
以前に比べて高校生を採用したい企業が増え、応募前職場見学では、高校生をとても温かく歓迎してくださる企業も増えています。
すると高校生は、
「すごく歓迎してくれた!」
「担当の人が優しかった!」
「めちゃくちゃいい会社だった!」
と感じることがあります。
もちろん、歓迎してもらえること自体は嬉しいことです。
ただし、
「歓迎してくれた」ことと「自分に合う会社である」ことは別です。
今は企業側も、高校生から「選んでもらう」ために一生懸命です。
だからこそ、その場の印象だけで決めず、自分に合う会社なのかを確認するために見学するという意識を持ってほしいと思います。
応募前職場見学はどうやって申し込む?
「見学したい会社が決まったら、本人が会社に電話するの?」
と思われる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
基本的な流れは次のようになります。
求人票を見る
↓
見学したい企業を決める
↓
学校の進路指導の先生へ申し込む
↓
学校から企業へ連絡する
↓
日時・集合場所などが決まる
↓
学校から案内を受け取る
↓
応募前職場見学へ参加する
高校生本人が、求人票に書かれている電話番号を見て企業へ直接連絡するわけではありません。
高校生の就職活動では、学校を通して企業とやり取りをします。
見学について分からないことがあった場合も、まずは学校の先生へ相談してください。
保護者ができる準備① 行き方を一緒に確認する
応募前職場見学は、お子さんだけで参加するケースが多くあります。
そこで保護者の方にぜひ手伝っていただきたいのが、交通手段の確認です。
前日までに、
- 何時に家を出るのか
- どの電車に乗るのか
- どこで乗り換えるのか
- 最寄り駅のどの出口から出るのか
- 駅から集合場所までどう行くのか
- 往復の交通費はいくら必要なのか
を確認しておきましょう。
特に普段あまり電車に乗らない高校生の場合、乗り換えや大きな駅の出口で迷ってしまうことがあります。
スマートフォンの乗換案内を一緒に確認したり、必要であれば紙に書いて渡してあげたりしてもよいでしょう。
30分程度の余裕を持って出発を
当日は、予定していた電車に乗れなかったり、駅から会社までの道に迷ったりする可能性もあります。
私が学校で生徒に指導するときは、
30分くらい余裕を持って家を出て、集合場所には10分前には到着する
ことをおすすめしています。
遅刻しないことはもちろんですが、慌てた状態で企業へ到着しないためにも、少し余裕を持った計画を立てておきましょう。
保護者ができる準備② 持ち物を確認する
学校や企業から持ち物の指定がある場合は、まずその案内に従ってください。
そのうえで、基本的に準備しておきたいのが、
- 筆記用具
- A4サイズの資料を折らずに入れられるバッグ
- ハンカチ
- ティッシュ
- 必要に応じてマスク
- 飲み物
などです。
会社案内など、A4サイズの資料をもらって帰ることがあります。
資料を折らずに持ち帰れるよう、学校指定のバッグなど、ある程度大きさのあるものを持って行くと安心です。
また、説明を聞きながら気になったことをメモできるよう、筆記用具も忘れずに持って行きましょう。
夏場は熱中症対策も必要です。企業がお水などを用意してくださる場合もありますが、自分でも飲み物を持参することをおすすめします。
保護者ができる準備③ 身だしなみを確認する
応募前職場見学は採用試験そのものではありませんが、企業を訪問する機会です。
学校から服装などの指示があれば、それに従いましょう。
また、普段の通学バッグに大きなキーホルダーやぬいぐるみなどをたくさん付けている場合は、この日だけは少し控えめにするなど、清潔感のある身だしなみを意識するとよいでしょう。
難しく考える必要はありません。
「企業へお邪魔する日だから、いつもより少し整えて行こう」
くらいの感覚で十分です。
保護者ができる準備④ 「何を知りたいのか」を整理する
そして、私が特におすすめしたいのが、見学前に質問したいことを整理しておくことです。
企業から説明を聞くだけで職場見学を終えてしまうのは、もったいありません。
例えば事前に、
「仕事内容はどこまで分かっている?」
「休日は何曜日?」
「年間休日は何日?」
「入社したら最初はどんな仕事をする?」
「まだ分からないことは何?」
などを親子で確認してみてください。
実際に高校生向けのセミナーで、
「分かっていること・分かっていないこと」
を書き出してもらうと、「分かっているつもりだったけれど、実は分かっていなかった」ということがよくあります。
分からないことが分かれば、
「じゃあ、職場見学でここを聞いてこよう(見てこよう)」
と目的を持って参加できます。
「何か質問はありますか?」に備えておこう
応募前職場見学では、企業の方から最後に、
「何か質問はありますか?」
と聞かれることも多くあります。
その場で突然考えるのではなく、事前に聞きたいことをいくつか用意しておくと安心です。
企業のホームページや採用ページ、採用動画などがあれば、親子で一緒に見てみるのもおすすめです。
そして、
「調べても分からなかったこと」
「実際に働いている人に聞いてみたいこと」
を質問として持って行きましょう。
応募前職場見学は「会社に選んでもらう場」だけではない
高校生の就職活動というと、
「企業に自分を評価してもらう」
という意識が強くなりがちです。
でも、応募前職場見学の段階では、高校生側も会社を見ています。
仕事内容は自分に合いそうか。
どんな人たちと働くのか。
職場はどんな環境なのか。
そして、
「自分がここで毎日働く姿を想像できるか」
を確認する機会です。
実際の見学では、事業内容や職種、雇用条件などの説明を受けたあと、工場や店舗などの現場を見たり、働いている社員の様子を見たりすることがあります。
だからこそ、何となく参加して「いい会社だった!」で終わらせるのではなく、
「自分に合う会社か確認してくる」
という目的を持って送り出してあげてください。
まとめ|見学前に「何を確認してくるか」を親子で話しておこう
応募前職場見学は、高校生が最終的に応募する会社を決めるための大切な機会です。
保護者がすべて準備する必要はありません。
ただ、
行き方を確認する。
持ち物を確認する。
身だしなみを整える。
求人票やホームページをもう一度見る。
分からないこと・質問したいことを整理する。
こうした準備は、家庭でもサポートできます。
そして当日の朝は、
「ちゃんと見てきてね」
だけではなく、
「自分がそこで働くとしたらどうかな、と思いながら見ておいで」
と送り出してあげてください。
求人票だけでは分からなかったことが、きっとたくさん見えてくると思います。
次回予告
では、実際に会社へ行ったらどこを見れば「自分に合う会社」か判断できるのでしょうか。
次回は、応募前職場見学でぜひ確認してほしいポイントを具体的にご紹介します。
採用担当者の印象だけではなく、実際に一緒に働く社員、年齢層、職場の音やにおい、暑さ・寒さ、トイレや休憩室、整理整頓の状態など、求人票では決して分からない情報があります。
「見学は1〜2時間。でも、入社したらその場所で毎日8時間働く」
という視点から、長く働ける会社を見極めるための職場見学のポイントを解説します。

