高卒就職 保護者ガイド 第11回/職場見学後、親は何を聞けばいい?応募先を決めるための振り返り方
職場見学後、親は何を聞けばいい?応募先を決めるための振り返り方
応募前職場見学から帰ってきたお子さんに、
「どうだった?」
と聞いて、
「よかったよ」
で会話が終わってしまった。
そんなことはありませんか?
高校生に「どうだった?」と漠然と聞いても、見てきたことや感じたことを、すぐに整理して話すのは意外と難しいものです。
でも、応募前職場見学は、実際にその会社へ応募するかどうかを考えるための大切な機会です。
今回は、職場見学後に保護者からどんな質問をすればよいのか、親子での振り返り方をご紹介します。
「どうだった?」ではなく「何がよかった?」と聞いてみる
まず、質問を少し具体的にしてみましょう。
×「会社どうだった?」
○「どんなところがよかった?」
×「仕事できそう?」
○「実際の仕事を見て、どう思った?」
×「社員さん優しかった?」
○「実際に働いている人たちは、どんな感じだった?」
「よかった」という一言で終わらせず、
保護者:「何がよかったの?」
と、もう一段だけ掘り下げてみてください。
すると、
「思っていたより若い人が多かった」
「社員同士がよく話していた」
「実際に見た仕事がおもしろそうだった」
など、本人が何に魅力を感じたのかが見えてきます。
「よかったこと」と「気になったこと」を両方聞く
良かったところだけではなく、
保護者:「逆に、ちょっと気になったところはあった?」
とも聞いてみてください。
例えば、
「思ったより音が大きかった」
「立ち仕事が多そうだった」
「若い人が少なかった」
「駅から結構歩いた」
「夜勤があるのが少し気になった」
など。
ここで、
「それならやめた方がいいんじゃない?」
と、すぐに結論を出さないことも大切です。
「そこが気になったんだね」
「毎日だったらどうかな?」
と、一緒に考えてみましょう。
会社選びは、すべての条件が100点の会社を探すことではありません。
本人にとって何が大切で、何なら許容できるのか。
それを整理することが重要です。
「歓迎してもらった」だけで会社を決めない
今は高校生を採用したい企業が多く、職場見学でとても温かく迎えてくださる企業もあります。
高校生が、
「めっちゃ優しかった!」
「ぜひ来てねって言ってくれた!」
と嬉しそうに帰ってくることもあります。
もちろん、歓迎してもらえるのは嬉しいことです。
ただ、
「歓迎してくれた」=「自分に合う会社」ではありません。
そんなときは、
保護者:「歓迎してくれたこと以外では、何がよかった?」
と聞いてみてください。
仕事内容なのか。
実際に働いている人たちなのか。
職場の雰囲気なのか。
働き方なのか。
本人が**「自分はこの会社の何に惹かれたのか」**を整理するきっかけになります。
求人票と職場見学を照らし合わせてみる
見学後は、もう一度求人票を開いてみるのもおすすめです。
見学前に読んだときと、実際の職場を見たあとでは、求人票の見え方が変わります。
例えば、
仕事内容
→ 実際に見た仕事は、想像していたものと同じだった?
就業時間
→ この時間で毎日働く生活を想像できる?
就業場所
→ 実際に行ってみて、毎日通えそう?
交替勤務・夜勤
→ 説明を聞いて、自分にもできそう?
というように、
求人票に書かれている「情報」と、実際に見てきた「体験」をつなげて考える
ことができます。
最後に「ここで働いている自分を想像できた?」と聞いてみる
そして、最後にぜひ聞いてほしい質問があります。
保護者:「自分がここで働いているところ、想像できた?」
「できた」なら、
「どんなところがそう思った?」
と聞いてみる。
「ちょっと無理かも」なら、
「何がそう思った?」
と聞いてみる。
「分からない」なら、
「まだ何が分からない?」
と聞いてみる。
職場見学の目的は、世間一般でいう「いい会社」を探すことではありません。
「自分に合う会社なのか」を本人自身が考えることです。
分からないことが残ったら、学校の先生に相談する
職場見学をしたからといって、会社のすべてが分かるわけではありません。
「配属先はどう決まる?」
「夜勤はいつから?」
「資格取得費用は会社が出してくれる?」
など、新しい疑問が出てくることもあります。
その場合は、学校の進路指導の先生に相談してみましょう。
学校から企業へ確認できることもありますし、過去にその会社へ就職した卒業生について、先生が情報を持っていることもあります。
分からないことを残したまま応募を決める必要はありません。
「この会社を受けたい」と決めたら、理由を聞いてみる
振り返った結果、
「やっぱり、この会社を受けたい」
となったら、最後に、
保護者:「なんで、この会社にしようと思ったの?」
と聞いてみてください。
例えば、
「実際の仕事を見て、自分もやってみたいと思った」
「若い先輩が仕事を教えてもらっているのを見て、安心して働けそうだと思った」
「職場の雰囲気が自分に合いそうだと思った」
など。
ここまで言葉にできれば、本人自身も納得して応募先を選べます。
そして、この答えはその後の面接で志望理由を伝える材料にもなります。
まとめ|保護者の役割は「決める」より「一緒に整理する」
応募前職場見学は、行って終わりではありません。
見学後に、自分が何を見て、何を感じたのかを整理するところまでが職場見学です。
保護者の方は、
「何がよかった?」
「何が気になった?」
「毎日だったらどう?」
「ここで働いている自分を想像できた?」
「それでも、この会社を受けたい?」
と聞いてみてください。
保護者が「この会社にしなさい」と答えを出すのではなく、本人が考えるための壁打ち相手になる。
そして高校生自身が、
「自分で見て、自分で考えて、この会社を選んだ」
と思えること。
それが、納得のいく就職活動につながると私たちは考えています。
シリーズ案内
高卒就職 保護者ガイドでは、求人票の見方から応募前職場見学、面接・採用試験まで、高校生の就職活動を保護者がどう支えればよいのかを順番に解説しています。
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