高卒就職 保護者ガイド 第13回/採用試験が不採用だったら?二社目の応募に向けて親が知っておきたいこと
高校生の就職活動では、一社目の採用試験を受けたあと、残念ながら「不採用」という結果になることもあります。
夏休み前から求人票を見て、応募前職場見学に行き、履歴書を書き、何度も面接練習をしてきた高校生にとって、不採用の知らせは大きなショックです。
保護者の方も、
「なんて声をかけたらいいんだろう」
「すぐに次の会社を探した方がいい?」
「もう良い求人は残っていないのでは?」
と不安になるかもしれません。
でも、一社目が不採用だったからといって、そこで就職活動が終わるわけではありません。
大切なのは、結果を受け取った直後に焦って次の会社を決めることではなく、まず本人の気持ちを受け止め、少しずつ次の一歩へ向かえるように支えることです。
今回は、一社目が不採用だったときの保護者の関わり方と、二社目の応募に向けて知っておきたいことを紹介します。
一社目が不採用。まず親は何をすればいい?
まず大切なのは、すぐに次の会社の話を始めないことです。
高校生にとって、一社目の応募は大人が思う以上に大きな出来事です。
「この会社で働きたい」と決め、応募前職場見学に行き、志望動機を考え、履歴書を書き、先生と何度も面接練習をして試験に臨んでいます。高3の夏休みを返上して。
その結果が「不採用」だったと知れば、
「自分を否定されたように感じる」
「もう就職できないのではないか」
「また一からやり直すのがしんどい」
そんな気持ちになるのは自然なことです。
そんなときに、
「じゃあ次を探さないと」
「他にも会社はいっぱいあるよ」
「いつまでも落ち込んでいても仕方ない」
とすぐに切り替えを求める必要はありません。
まずは、
「残念だったね」
「ここまで頑張って準備してきたもんね」
と、本人の気持ちを受け止めるところから始めてください。
「不採用=本人に問題があった」と考えなくていい
不採用という結果を見ると、
「面接で何か失敗したのかな」
「もっと練習しておけばよかったのかな」
と、本人も保護者も後悔したり、原因を探したくなります。
ですが、採用結果は一つの理由だけで決まるとは限りません。
採用人数、応募者数、企業が求める人物像との組み合わせなど、さまざまな要素があります。
そのため、
「不採用だった=本人に問題があった」
と決めつける必要はありません。
一番不幸なことは、あわない会社に入ってしまい早期離職することや、向いていない仕事や職場環境で本人の能力を発揮できないことです。
これは、本人はもちろん、企業にとっても不幸なことなんです。
10代の若者に不採用を出すのは企業としても苦渋の決断です。
人事担当者の中には不採用通知書に封をする際
「君にはもっと活躍できる職場があるよ」と気持ちを込めていると話してくれる方もいます。
高校生には納得のいかないことかもしれません。
でも、企業も先生も思っている以上に高卒人材には慎重に、そして温かい気持ちで向き合ってくれています。
もちろん、次の応募に向けて振り返ることは大切です。
ただし、結果を知った直後から、
「面接のあの答えが悪かったんじゃない?」
「もっとこう言えばよかったのに」
と保護者が分析するのは避けたいところです。
もし子どもに言いたくなったら、親としてもっとできたんじゃないかと後悔している気持ちを言いたくなったら、アッテミーのLINEアカウントにこっそり送ってください。
お話し、聞きましょう!
二社目はすぐに決めないといけない?
不採用になると、保護者として特に気になるのが、
「もういい求人は残っていないんじゃないか?」
「早く次を探さないと、良い求人がなくなるのでは?」
ということではないでしょうか。
確かに、高卒就職では時期によって求人状況は変わります。
そのため、いつまでも何もしなくてよいわけではありません。
一方で、焦って、
「まだ募集している会社の中から、とにかく早く決めよう」
となってしまうのもおすすめできません。
今は、高卒求人が潤沢にある時代です。
大手企業でも充足していない場合も珍しくありません。
知名度は高くないけれど実はすごい企業が高卒求人には沢山隠れています。
そして、二社目の応募でも大切なのは、本人が「ここで働いてみたい」と納得して応募することです。
まずは学校の先生と相談し、現在応募できる求人を確認します。
そのうえで、もう一度、
「どんな仕事をしたいのか」
「会社選びで何を大切にしたいのか」を整理してみましょう。
二社目を探すとき、一社目の会社選びを振り返ってみる
二社目を選ぶときは、一社目の就職活動が無駄になるわけではありません。
むしろ、一度会社を選び、見学し、応募した経験があるからこそ、最初より具体的に会社を見ることができます。
たとえば、
- 仕事内容
- 給与・休日
- 通勤時間
- 職場の雰囲気
- 働いている人の様子
- 福利厚生
- 資格取得支援
- 配属や転勤
- 将来どんな仕事をしていきたいか
など。
一社目を選んだときに、
「自分は何を魅力に感じていたのか」
を振り返ってみてください。
その条件をそのまま二社目にも求める必要はありません。
就職活動を経験したことで、
「思っていたより通勤時間は大事かもしれない」
「仕事内容だけでなく職場の雰囲気も大切にしたい」
「実際に会社を見てから決めたい」
など、会社選びの基準が変わっていることもあります。
その変化も、立派な就職活動の経験です。
二社目でも応募前職場見学には行ける?
応募を検討する企業について、学校の先生に相談しながら、可能であれば応募前職場見学についても確認してみましょう。
求人票だけでは、
- 実際の職場の雰囲気
- 働いている人の様子
- 仕事内容
- 職場までの通勤
- 自分がそこで働くイメージ
までは分かりません。
「二社目だから早く応募しなければ」と焦るほど、求人票だけを見て決めてしまいがちです。
応募前職場見学は二社目受験でも企業は快く対応してくれるケースが多いです。
ぜひ見学へ行き、一社目と同じように、本人が納得して応募先を選ぶステップを大切にしてください。
二社目の面接では「一社目が不採用だったこと」をどう考える?
一度不採用を経験すると、
「次の会社でも落ちたらどうしよう」と不安になる高校生もいます。
だからといって、一社目以上に完璧な受け答えを目指して、面接回答を作り込みすぎる必要はありません。
大切なのは、二社目について改めて企業研究をして、
「なぜこの会社で働きたいのか」を本人が整理することです。
一社目用に考えた志望動機の会社名だけを変えて使うのではなく、
「この会社のどこに興味を持ったのか」
「見学して何を感じたのか」
「どんな仕事をしてみたいのか」
をもう一度考えてみましょう。
二社目は「一社目に落ちたから受ける会社」ではありません。
新しく選んだ、自分の応募先です。
そう捉えて準備することが大切です。
親が「この会社にしたら?」と決めてもいい?
二社目探しになると、保護者の方も焦ります。
求人票を見ながら、
「この会社、休みも多いし良さそう」
「ここなら家から近いよ」
「もうここにしたら?」
と言いたくなることもあるでしょう。
もちろん、一緒に求人票を見たり、気になる条件について話したりすることは問題ありません。
ただ、最終的に働くのはお子さんです。
第12回でもお伝えしたように、高校生の就職活動は、自分で考え、自分で選び、社会へ出ていくための過程でもあります。
保護者が会社を決めるのではなく、
「一社目では何を大事にしてた?」
「次はどんなところを見てみたい?」
「この会社のどこが気になった?」
と、本人が考えるための質問をしてみてください。
不採用の経験は「失敗」で終わるとは限らない
高校生本人にとって、不採用になった直後はそんなふうには思えないでしょう。
無理に、
「いい経験になったね」
「これも将来のためだよ」
と前向きに意味づけする必要もありません。
悔しいものは悔しいし、落ち込む時間があって当然です。
でも、そのあと二社目を探す過程で、
「自分は何を大切にして会社を選ぶのか」
「自分には何が向いているのか」
をもう一度考えることになります。
一社目ではなんとなく見ていた求人票の項目が気になるようになったり、応募前職場見学で見るところが変わったりすることもあります。
知名度だけ、給与だけで選んでいたのが、自分には何ができるか、どんな職場なら長く続けられるかと適性を考えるきっかけになったりします。
一度の就職活動を経験したからこそ、二社目では以前より自分なりの基準を持って会社を選べるようになる可能性があります。
保護者の方には、その過程を急がせすぎず、支えていただければと思います。
二社目の応募に向けて、親子で確認したいこと
二社目探しを始めるときは、次のようなことを親子で話してみてください。
□ 本人の気持ちは落ち着いているか
□ 本人は学校の先生と今後の進め方を相談したか
□ 現在応募できる求人を確認したか
□ 一社目で大切にしていた会社選びの条件は何だったか?
□ 二社目では何を大切にしたいか
すべてを一日で決める必要はありません。
ただし、何もしないまま時間だけが過ぎないよう、学校の先生と連携しながら少しずつ次へ進むことも大切です。
不採用だったときこそ、親は「次を決める人」ではなく「立ち直るのを支える人」に
一社目が不採用だったと聞けば、保護者の方も大変ショックだと思います。
「これからどうなるんだろう」
と、本人以上に先のことを考えてしまうこともあるでしょう。
でも、結果を受け取った直後に必要なのは、次の会社を決めてくれる人ではありません。
まず、
「頑張っていたことを知っているよ」
と受け止めてくれる人がいること。
そして本人が少し前を向けるようになったら、
「じゃあ次はどうしようか」
と一緒に考えること。
高校生の就職活動では、内定を取ることだけでなく、思いどおりにならなかったときに、周囲の力も借りながらもう一度動き出す経験も、社会へ出る準備の一つになります。
焦らず、でも一人にせず。
学校とも相談しながら、次の一歩を支えていきましょう。
次回予告
内定が決まると、就職活動はひと区切り。
でも、高校生にとってはここからが「高校生から社会人へ」移っていく大切な期間です。
次回は、
高卒就職 保護者ガイド 第14回/内定したら卒業まで何をする?入社までに親子で準備しておきたいこと
をテーマにし、内定後から卒業・入社までの過ごし方を取り上げます。