高校生インターンシップは一度で完成しない|「説明中心」から「入札ゲーム」へ変えた企業の改善事例

「プログラムに書いた内容と、当日の中身が少しずれてしまった」

高校生インターンシップを受け入れる企業から、実はよく聞く話です。今回ご紹介するのは、そうしたズレに気づいたあと、翌年どう変えたかという、鉄道インフラ関連企業様の事例です。

結論から言うと、この記事は「うまくいった話」だけではありません。改善した先に、また新しい課題が見つかった話でもあります。むしろそこに、高校生インターンシップの本質があると考えています。

2025年、何が起きていたのか?

2025年のプログラムには「入札業務体験」と記載されていました。
しかし当日の内容は、社員による説明が中心になりました。

原因は、高校生にとって馴染みのない言葉の多さでした。
「子会社」「出向」「入札」といった言葉が並び、生徒の反応も薄いものでした。
「入札」については、「オークションのようなもの」と言い換えて、ようやく生徒がイメージをつかめる状態となっていました。

体験のつもりで用意した内容が、結果的に「説明を聞く時間」になってしまう。
これはこの企業様に限らず、専門性の高い業種でよく起きることです。

アッテミーはどう改善を提案したのか?

当日引率したアッテミースタッフのAが、この様子を見て提案したのが次のアイデアでした。

「入札の仕組みには、ブラックジャックのような駆け引きの要素もある。
説明するのではなく、ゲーム感覚で体験してもらってはどうか」

入札を「知識として説明する」のではなく、「駆け引きとして体験する」方向に変える。
この視点の転換が、翌年のプログラムに反映されることになります。

 2026年、実際に何が変わったのか?

2026年、過去の入札案件を実際の題材にした、ゲーム形式の入札体験へと変更されました。
生徒は数字や条件を見ながら、実際の入札に近い駆け引きを疑似体験します。

参加した生徒へのアンケートでは、面白かった内容として、

> 「入札のゲームとかレール見るやつ」

という声が挙がり
参加生徒の満足度は10点満点中10.0となりました。

説明を聞くだけだった前年から一転、生徒自身が手を動かし、頭を使って参加する時間に変わったことがうかがえます。

※ここで注意したいのは、「ゲーム化したから満足度が上がった」と単純に言い切れるわけではないという点です。プログラム内容の変更以外にも、参加生徒の顔ぶれや当日の運営など、満足度に影響する要素は複数あります。あくまで、変更の前後でこうした違いが見られた、という事実として捉えてください。

 満足度10.0で終わらなかった理由

ここまでであれば、よくある「改善成功事例」です。

しかし、この事例を記事にしたいと考えた本当の理由は、ここから先にあります。

2026年に引率したアッテミースタッフからは、次のような新しい課題が報告されました。

「体験としては充実していたが、参加した生徒が実際の仕事をイメージできたかどうかは、
あらためて確認が必要」

ゲーム化によって「体験として楽しい時間」は作れました。
しかし、それが「入札という仕事を理解する」ことに直結していたかは、別の問題として残ったということです。

この事例から言えること

高校生インターンシップは、一度作って終わりのプログラムではありません。

– 2025年:説明中心になり、生徒の反応が薄かった
– 2026年:ゲーム化し、満足度が大きく上昇
– しかし2026年:「仕事の理解」につながったかは、次の課題として残った

満足度という一つの指標だけを見れば、2026年のプログラムは成功と言えます。
ですが、インターンシップの目的が「仕事を知ってもらうこと」であるなら、まだ検証すべきことが残っています。

私たちアッテミーが企業様と一緒に実践して分かるのは、良いインターンシップは一度で完成しないということです。

毎年、当日の様子を観察し、課題を見つけ、次の年に変える。
このサイクルそのものが、企業様にとっても、受け入れる生徒にとっても、価値のあるプログラムを育てていく方法だと考えています。

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 次回記事への予告

プログラムの改善は、高校生側の満足度だけでなく、受け入れる企業側にも変化をもたらすことがあります。
次回は、初めて高校生インターンシップを受け入れた製造企業の事例から、「高校生インターンシップは誰のためのものか」を考えます。