高卒採用解禁日 1か月延期が正式に決定~コロナウイルス感染拡大の影響を受けて~

2020年6月11日(木)厚生労働省より正式に2021年3月卒の高校生採用の解禁日を全国共通で1か月延期する発表がなされました。

厚生労働省「令和3年3月新規高等学校卒業者の就職に係る 採用選考開始期日等の変更について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000193580_00005.html

これにより下記の通り高卒新卒採用のスケジュールが変更となります。

求人情報解禁  7月1日(変更なし)

応募書類発送  (変更前)9月5日 ➡(変更後)10月5日

採用試験解禁  (変更前)9月16日 ➡ (変更後)10月16日

大阪労働局からは下記の案内通知も行われております。

高卒採用解禁日1か月延期

複数応募の解禁日については、各都道府県毎に判断を行うこととなっており、
6月15日時点で見解を示している都道府県はございません。

今後検討が必要な項目

今後、各ステークホルダー毎に検討が必要な項目について下記に記載しております。
どうか、高校生の就職希望者に向け皆様に前向きなアクションをとっていただけますようお願い申し上げます。

【採用担当者】

1.応募前職場見学の実施時期
各都道府県により夏休みの時期、日数が下記の表のように大きく異なります。
7・8月だけでなく9月の応募前職場見学の実施・対応が必要になってくる可能性も高いです。
また、本来夏休みの7・8月ですが、毎日6時限目まで授業を実施する都道府県もあり、
場合によっては応募前職場見学参加のために授業を抜ける必要性が出てきます。
可能であれば夕方や短時間での実施など配慮いただくと共に、オンラインでの動画配信などご検討ください。

 

2.採用試験の日時設定を考慮する
10月16日が採用試験の解禁日だからといって、その直後に採用試験を設定すると
場合によっては学校行事や中間テストと重なることも考えられます。
募集地域の高校の定期考査の予定を十分に考慮して設定する必要が出てきます。
※厚生労働省の正式な発表を受けて、現在各学校で2学期の予定を調整しております。
10月16日~1週間程度の期間は、中間テストや学校行事を行わない予定へと今後変更されるかと思われます。

3.募集期間(採用活動)の長期化
採用解禁日が1か月遅れたため、今年度の高校生の受験のタイミングは下記が想定されます。
<今年度の受験時期イメージ>
1社目:10月中~下旬
2社目:11月下旬~12月
3社目:1月下旬~2月

2次募集、3次募集の活動時期の目安にして頂けますと幸いです。

【学校関係者・教員】

1.行事予定の見直し
10月16日に採用試験が解禁となるため、10月16日から1週間程度の間に集中して採用試験の実施が行われることが予想されます。
この時期に中間テストがあった場合、生徒が採用試験を受けるためにテストを欠席することが
生徒本人の成績だけでなく、卒業にも関わってくることになるため
学校行事予定の見直しをご検討いただく必要があると考えられます。

2.応募前職場見学の引率について
関西圏を中心に、高校生の応募前職場見学にはこれまで教員の引率が必要とされてきましたが、
今年度は夏休み期間中の授業実施の関係で引率必須のままでは、高校生が応募前職場見学になかなか参加できない状態となります。
既にご検討済みのこととは思いますが、本年度は高校生本人のみでの応募前職場見学への参加を認め
ミスマッチのない就職活動となるようご指導いただければと思います。
引率無しの場合に、高校生本人だけの移動に不安がある場合は、見学日の前に事前に現地まで移動できるか
実際に足を運ぶよう指導するケースも出てくるかと思います。

3.校内選考の実施時期
高校生の就職活動には集中力も重要であり、授業を受けながらの就職活動が持続するかという心配もあることと思います。
8月中に校内選考を実施した場合、応募書類の発送10月5日までに1か月以上の期間があき、その間に応募先に迷いが出るケースや気持ちが乗らず指導についてこられないケースも出てくるかと思います。
学校行事と調整しながら、校内選考の実施時期を後ろ倒しにすることも一つの検討項目ではないかと考えられます。

<校内選考の実施時期の目安>
例年:8月中旬 ➡ 今年度:9月前半~中旬

【自治体・行政・教育委員会の皆様】

1.複数応募解禁日について
今回の厚生労働省の発表では、「応募書類の発送日」「採用試験解禁日」が1か月延期となりました。
複数応募解禁日については各都道府県で行われる高卒就職問題検討会議に判断をゆだねられています。
厚生労働省の発表に合わせ、複数応募解禁日も1か月後ろに延期するという判断がなされるのも一つの考えです。

ただ、今回の「採用解禁1か月延期」の措置は、高校生の1回分の受験機会がなくなったとも言えます。

高校生は「一人一社制」で応募をするため、1社目の試験結果を受けて不採用だった場合に初めて2社目の検討に入ります。
不採用だったからすぐに次の会社に応募書類を送る準備が整っているわけではありません。
不採用という結果を受け止め、2社目の就職活動を始めるまでの時間も個人によって異なります。
加えて、学校行事(定期テスト、体育祭や文化祭など)のスケジュールによっても、2社目の受験先決定・応募書類発送まで時間を要するケースも多くあります。

今年は採用解禁が1か月遅れたことで、1社目の受験結果は11月上旬~中旬に出そろってくることになりますが、場合によっては2社目の受験が年内に間に合わず1月になるケースも当然でてきます。
すると、卒業までに例年3~4社受験できていたのが、今年は2~3社の受験に限定される可能性が高まってきます。

高卒求人数もリーマンショックほどではありませんが、減少がみこまれる中で、
進路未決定者を増やさないためにも複数応募の解禁日は据え置きの措置をとり、
応募機会の維持、未決定者の予防につなげるという選択肢も効果的なのではないでしょうか。

同時に、複数応募に対応するか否かは企業側が求人票を発行時に選択することができる現行制度においては、コロナ対応として複数応募に積極的に対応するよう企業に協力を仰ぐとともに、先生方にも利用を勧める動きを併せて行うことが高校生のためになります。

2.就職指導コーディネーター等の学校への派遣
学校現場では、夏休み期間が短い中で6時間の授業をしながらの就職指導にマンパワーが不足しています。
キャリアコンサルタントや民間企業経験者など、就職指導を行うに資する方々に一時的に
学校内での就職指導を補助していただく仕組みの早急な導入が必要かと考えられます。
リーマンショック直後など過去、類似の事業を実施している都道府県もございます。
ぜひコロナ対策として就職活動支援を行って頂ければと思います。

必要がございましたらいつでもアドバイス、サポートをさせていただきます。
HP問合せフォームよりご連絡くださいませ。